2013年03月23日

「 ふみの日 」に読む 『 あしながおじさん 』 by ウェブスター


こんにちは、今日も来てくださってありがとう。


3月23日は「ふみの日」です


今月だけではなく、毎月の23日が「ふみの日」になります。

「ふみ」つまり「文」で これは今で言う「 手 紙 」のこと


ズバリ、タイトルが『 手 紙 』という作品や『 十二人の手紙 』などがあるかな。

また手紙が重要なキィとなった『 錦 繍 』や『 きりぎりす 』


海外作品で有名なのは『 若きウェルテルの悩み 』とか・・・

英文学に強い方なら『 パメラ 』や『 クラリッサ・ハーロウ 』を真っ先に

思い出されるかもしれません。いわゆる書簡体文学、ね。

ドフトエフスキーにも有ったけなぁ・・・



それでは、最も有名でよく知られた書簡体小説を・・・・・



はい 、今日の読書は 『 あしながおじさん 』  著者: ウエブスター


著者のジーン・ウェブスター(1876〜1916)は、

『 トム・ソーヤの冒険 』などでお馴染みのマーク・トゥエインの

母方の親戚に当る女性です。

マーク・トゥエインの姪の娘、になるのかな。


ウェブスターが進学したのは、東部の名門校ヴァッサー女子大( 現在は共学 )

あしながおじさんは ウェブスター自身の学生生活をモデルにしたもの と言われています。

当時の女子大生の生活と意見、という面持ちがありその意味でも興味深いものです。

日本でいえば明治時代・・・


さて、「あしながおじさん」とは主人公のジュディが

学資を援助してくれた篤志家につけたあだ名。

そこから、(日本では)あしながおじさん=教育資金の援助をしてくれる人

という代名詞として定着しました。

育英会の名称にも使用されているくらいだから、考えたらスゴイよね。


作品中のイラストは全てウェブスター自身が描いたものですが、

まあ、決して上手くはないのだけれど、どんなイラストよりも

この作品にはピッタリだと思うなぁ


手紙形式の小説『あしながおじさん』ですが、手紙はすべてジュディから

あしながおじさんに宛てられたものです。

ジュディが入学してから卒業するまで、学科のこと友人達のこと、読んでいる本のこと、

出合った男性たちのこと・・・


コレといって大きな事件が起こるわけでもないのに、退屈する事無く読める作品でした。


お買物したものやお洋服のこと帽子の事なども・・・

ストーリーの本筋とは直接関係はない部分でも結構面白かったなぁ。


そして、子ども時代に読んだときには ジュディが孤児院出身だという事を

隠していたことが辛かった・・・

この作品は、何度かアニメ化されていますが 確かアニメでは孤児である事を

隠していることが大きなキィになっていたような?

原作では 孤児である事を カミングアウトしてはいませんが。



子ども時代に読んで その後も『 若草物語 』や『 大草原の小さな家 』シリーズと

同じように手元に置いて 何 度 で も 読 み 直 し た い 名 作 のひとつです。



で、名作の名作たる所以は、読み手の成長に伴って 別 の 読 み 方 ができること。

二十歳を越えた頃、ふと気付いたのは この作品は 良 質 な ミ ス テ リ とも読める、

ということ。



ミステリ????   『 あしながおじさん 』が?????



はあー、なんじゃ、それはー!とお思いになるかもしれないけれども

もちろん、この作品では 殺人事件も起こりません w

よって “ 犯人 ”も“ 名探偵 ”も登場しませんが・・・



つまり「 犯人は誰か? 」ではなく

「 あしながおじさんという 善意の人は誰か? 」なのよ。



だから、普通のミステリとは 全く逆のようでいて、実は同じ

そう、与えられた謎を解く物語なの。


あっ、例によって 異論は認めますから。


そして、フェアなことに、ストーリー中にきちんと 伏線が張られています。

それは 物語を読み返してみるとよく分かるの。

きっと、あなたも気がつくと思うなー。


最後の最後になって、あしながおじさんが ジュディの心から愛する人

ペンデルトン氏だと分かるのですが、

これもミステリの王道である「 意外な犯人 」そのものですから。


ただし『 アクロイド殺人事件 』と同じく、この手法は一度しか

使えませんが ww



さらにオトナになってから、いや、年を取ってからは・・・

この作品を主人公・ジュディの立場ではなく 


あ し な が お じ さ ん の 立 場 から読んでみるようにもなりました・・・



そうすると、ねえ、どう思います?



男性が、若い美しい女性を 自分好みの 理想の女性に 育て上げる物語

・・・とは読めないかしら?



勿論、あしながおじさんは最初からそんな事を考えてはいません。

第一、会ってさえもいない 作文を読んだだけでしたから。

女の子は好きではないけれど、こんな愉快な作文を書く子なら、

将来は作家になれる可能性があるだろう、

だから学資を援助して 大学に行かせてあげたいと 思っただけですから。


まさか自分の妻にしようとは考えていなかったはず ww


そのはずだったんですが・・・


ジュディからの楽しい手紙をもらい、興味を持って直接(身分を隠して)

会う内に 彼女への好意が芽生えてくるように・・・



例えば、サリーのお兄さんの大学に行って 一緒にダンスをして楽しんだ・・・

という手紙の後には、必ずペンデルトン氏がやって来るし ww


大変だ、ライバル登場か?と思って心配してやって来るんだろうね。


お兄さんたちのキャンプで夏休みを過ごす計画も、おじさんは絶対に許さないし ww


ただ、ジュディは自分の頭で物事を考えることの出来る主体性を持った女性に成長しました。

だから、おじさんに誘われたヨーロッパ旅行を断って 

家庭教師のアルバイトに精を出したりもします。


つまりは、男性の言いなりにならない 主体性のある女性に 成長したってこと。

だからこそ、おじさんにとっては魅力的であり 手応えのある妻にふさわしい女性・・・

だから、ペンデルトン氏としてプロポーズしたんだもの。


その後の展開は、あなたも御存知の通りのハッピーエンド!



それから それから・・・・・


この物語には続編があります。そう、『 続・あしながおじさん 』


こちらの主人公は、ジュディではなく 親友のサリー です。

やはり同じ手紙形式の作品で、面白さという点ではこちらの方が

面白いと思うんだけれど・・・


また機会があればお話したいなあ・・・


さて、今日はこれでおしまい。

また、明日ね。




posted by cat-of-many-tales at 00:00| Comment(0) | 海外の小説・その他 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする
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