2013年04月02日

「 国際こどもの本の日 」に読む 『 百 万 回 生 き た ね こ 』 by 佐野 洋子



こんにちは、また来て下さってありがとう。


4月2日は「国際こどもの本の日」です。

アンデルセンの誕生日であることから制定されました。

子どもの本・・童話でも児童書でもいいけれど、 絵 本 はどうかしら?



ところで、ちょっとお尋ねしますが

あなたは 本 を 読 ん で 泣 い て し ま っ た こ と は ありますか?



よく宣伝文句やキャッチで「***人が泣きました!」とか

「泣けます!!」などと嬉しげに 煽られているのを見ますが

「どうだ! 悲しいだろ? さあ泣けよ!」と言われてもなぁ。

そういうのに限って いまいちピンと来ない作品が多かったりして・・・



あっ、例のごとく異論は認めますので。



例えば、少し前に300万部を超える大ベストセラーになった

「*****」(← 敢えてこう記します)。 今後も 読み継がれていく物語だと思いますか?

私の世代だと エリック・シーガルの『 ある愛の詩 』を思い出すのだけど。

この作品も、愛する女性を 白血病で失う物語だったなぁ・・・・・


一過性のベストセラーものは( 出版業界の活性化には役立っても )

その後も 読み継がれて行く事も少ないような気がするな。


悲しいお話でも そこに “ 感 動 ” もしくは “ 何 か ” が無ければ

単なるブームで 終わってしまう事が多い。 みんな忘れちゃうんだよ。


今日のテーマに選んだ本は、親友からプレゼントされたもの。

「私の大好きな絵本だから読んで欲しい」とカードが添えられていました。

彼女は一言も「 泣けるよ 」なんて言わなかったけれども



告白します。



最 後 の 一 行 を読んで・・・・・号泣しました。

悲しくて目頭が熱くなる、なんてレベルじゃないよ。

まさに号泣。 泣き伏した、といってもいいなぁ



はい 今日の 読書は 『 百万回生きたねこ 』 by 佐野 洋子   講談社


もし、自分が 子ども時代に読んでいても、または 傲慢だった20代くらいの時に 読んでも

これ程には 感動しなかったでしょう、多分。


佐野 洋子さん(1938〜2010)は絵本作家・エッセイストとして有名な方だし、

あなたもよく御存知かもしれませんね。


私は、こういう絵本があることだけは知っていたのですが、なぜか読むきっかけもなく、

親友から贈られなかったら今も知らないままだったかも?


子どものための絵本ではありますが、おとなのための絵本でもあります。

たった31ページ。漢字も少ないし 誰にでも分かる平易なやさしい言葉で綴られています。




100万年も しなない ねこが いました。

100万回も しんで 100万回も 生きたのです。

りっぱな とらねこでした。

100万人の 人が そのねこを かわいがり

100万人の人が そのねこが しんだとき なきました。


ねこは1回も なきませんでした。


( 冒頭より 一部抜粋 )


この猫はいろいろな人々に飼われていました。

王様・船乗り・手品使い・泥棒・おばあさん・小さな女の子・・・

でも、誰に 飼われても同じ事。 みんなの事を好きじゃないし 最後は死んでしまうけれど、

どうやら死ぬことは 平気だったみたいね。また生まれ変るのだから。



そうして・・・・あるとき、野良猫に生まれ変わります。



ねこは はじめて 自分のねこに なりました。


ねこは 自分が だいすきでした。


(一部抜粋)


りっぱなトラ猫に言い寄るメス猫は沢山居ましたが

100万回も死んだんだぜ、と自慢して誰も相手にしません。だって・・・



ねこは だれよりも 自分がすきだったのです。

(一部抜粋)


しかし、そんな猫に 見向きもしない 美しい白い猫に出会ってから

この猫は少しずつ変わっていきます。

「 そばに いて いいかい? 」とプロポーズ、2匹はなかよく暮らします。



ねこは 白いねこと たくさんの子ねこを

自分よりも すきなくらいでした。


(一部抜粋)



ねこは 白いねこと

いっしょに


いつまでも 生きていたいと  思いました


(一部抜粋)


けれども、生き物の常として 白い猫は年をとり ある日死んでしまいます。



ねこは はじめて なきました。

(一部抜粋)


なき続ける猫・・・初めて泣く猫・・・夜になり 朝が来ても 泣き続け

100万回も 泣き続けて・・・ようやく泣き止んだのは。



ねこは 白いねこの  となりで  しずかに  うごかなくなりました。

ねこは もう


けっして 生きかえりませんでした。


( 最終部分 ) 


この絵本の感想は、読んだ人の数だけあるかもしれません。

うまく表現できないかもしれない、いや、表現するのにこれ程 難しい

絵本もないかもしれないね。 私たちは評論家のエライ先生でもないし。

だって、“ 感 動 ”は分析できないんだもの。


愛する白い猫が 死んでしまったので 悲しくて 泣き続けた・・・で終わるなら

これ程の 感動は無かったと思う。


私にこの絵本をプレゼントしてくれた 親友は6年前に他界しました。


生前の彼女とよく話したのが、この 最 後 の 一 行 のこと・・・

「 なぜ ねこは 生き返らなかったのか? 」という謎 をどう答えるか

どう解釈するか、よく話し合ったものです。



哲学者キケロの有名な弁だったかなぁ、( ちょっと記憶が曖昧で失礼 )

「 人生の意味は その長さではなくて、使い方にある。

長 生 き を し て も 、ほ と ん ど 生 き な か っ た 者 も あ る 」を思い出しました。


主人公の猫は 白い猫と出会って 初めて 生 を 全 う したのでしょうか。

だから、生き返ることもない。決して、ね。

ああそうか、生き返る必要も無くなったのかな?



親友には一男一女がいましたが、子どもたちには よく

「 自分なりの “ 白いねこ ” を見つけて欲しい 」と言っていたそうです。



“白いねこ”は愛するものの象徴かもしれないし、また別のかもしれない。

自分よりも 好きになれることの何かの、ね。



ところで・・・・・あなたには “ 白いねこ ”がいますか?

それとも“ 白いねこ ”を探している途中でしょうか。


それとも・・あなた自身が 誰かの “白いねこ”なのかしら・・?



さて、作者の 佐野洋子氏は、2010年11月5日 東京都内の病院で

死去されています。享年72歳でした。


ありし日の 佐野洋子さん御自身も 登場する映画があるの 御存知かしら?


「 ドキュメンタリー映画 100万回生きたねこ 」


トレイラーを張っておきますのでよかったら見てね。(2分02秒)



それでは、今日はこれでおしまい。

また明日ね。




posted by cat-of-many-tales at 00:00| Comment(0) | 絵本 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする
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