2013年04月17日

「 恐竜の日 」に読む 『 失われた世界 』 by コナン・ドイル


こんにちは、今日も来て下さってありがとう。


4月17日は「恐竜の日」・・・・・1923年、アメリカの動物学者

ロイ・チャップマン・アンドルーズがゴビ砂漠に向けて旅立った日で、

5年間に25個の 恐竜の卵の化石を発見。以来、本格的な研究がスタートしました。



「恐竜」と聞いて・・・『 ジュラシック・パーク 』を連想されましたか?

PART2が確か『 The Lost World 』 でしたしね。マイケル・クライトンの

原作でも良かったのですが、まずは古典ともいうべきこの作品を・・・



はい、今日の読書は 『 失われた世界 』 by  コナン・ドイル

東京創元社 早川文庫など



著者はコナン・ドイル(1859〜1930)

Sir の称号を付けて、サー・アーサー・コナン・ドイルと言うべきか・・

代表作は世界的にも有名な『 シャーロック・ホームズ 』シリーズ。


“ 名探偵 ”の代名詞になる程有名になり、今でも世界中に沢山のファンがいますし

「シャ−ロッキアン」と呼ばれるマニアのことはあなたも御存知と思います。


また、この名探偵の誕生により、探偵小説がエンターティメント小説の

一大ジャンルを築く歴史的なスタートとなったともいえますよね。


しかし、笑えるのは、ホームズのキャラクタの誕生により

名 探 偵 = 変 人 という法則を生み出したことかしら www


それに、著者のドイル自身よりも、創作した名探偵の方が世界的に有名

になってしまったのも珍しいケースではないでしょうか?



さて、生みの親であるコナン・ドイルはアイルランド人の役人の子として

スコットランドに生まれました。エディンバラ大学の医学部を卒業後は

ロンドンで開業。文学に手を染めたのは家計の足しにするためといわれ、

船医としてアフリカ西海岸への航海に出たこともあります。



作家として富と名声を得ても、少しも芸術家めいたところのない素朴な

印象でありながら、残虐で血も凍るような話を好んで来客にしたり、

スポーツ・宗教・政治・科学・殺人・心霊科学等にも関心が深かったとか・・・・・


ホームズが大人気になっても、ドイル自身が本当に好んで書きたかったのは

この『 失われた世界 』や『 マラカット深海 』のような S F 物のようです。



しかし、ドイルとほぼ 同時期に活躍した『 海底二万マイル 』のジュール・

ヴェルヌ(1828〜1905)や、その後に登場したH・G・ウェルズ(1866〜1946)

たちに比べると・・・空想科学小説というよりは、むしろ 冒 険 活 劇 物 語

と呼んだ方がふさわしいような? 強いていえば、『 ターザン 』や『 火星のプリンセス 』を

書いた バローズにテイストは似ていると思うんですが?



さて、『 失われた世界 』の主人公は 古生物学者の チ ャ レ ン ジ ャ ー 教 授 で、

物語の語り手が 新聞記者の マ ロ ー ン です。


丁度、ホームズとワトスンのような関係になるでしょうか?



このチャレンジャー教授も、ホームズに負けず劣らず 変 人 いや個性的な人物で、

2年前に 南米に一人で探検に出かけたのですが、正確な場所は秘密。


何か奇妙な冒険をして 奇妙な動物を発見したらしい・・・・

周囲の評判は、誇大妄想狂か大ボラ吹きか ww 乱暴で つむじ曲がりの人物だと。

マローンが初めて教授に会ったときの第一印象は・・・・・



その容貌に僕は息をつめた。普通の人間などとは思っていなかったが、

こんな強烈な個性の持ち主だとは-----
(中略)

顔と髭は、アッシリアの牡牛のようだ。顔は赤らみ、髭は青みがかる程

黒く、スペード型になって胸までたれていた。髪の毛がまた独特だった。

長々とうねりながら大きな額の真ん中にたれさがり 
(中略)

目は青灰色で濃く黒い眉の蔭から鋭く、傲然と光っている (中略)

咆えるような、唸るような、とどろくような声、それがかの有名な

チャレンジャー教授から受けた僕の第一印象だった。


(一部抜粋)


うーん、なかなかワイルドで 濃厚なキャラのようですねwww


マローンは彼から、南米アマゾンの奥地で 古代に絶滅したはずの生物が

生き残っているのを発見
したと告げられます。目撃しただけではなく、

アマゾンの流域で死亡したと思われるアメリカ人の遺品から、その生物を

描いたと思われるスケッチブックも発見したとのこと。


教授は、学会でその事を発表し、探検旅行を提案します。

応じたのは、チャレンジャー教授に批判的な サマリー教授、冒険家として

名高いジョン・ロクストン卿・・・そうして我らがマローン君。

かくして、彼ら4人組は南米アマゾン奥地に向かいます。 コ コ ね ↓

ギアナ高地.jpg

( 写真引用元:ttp://www.fivestar-club.jp/ ファイブスタークラブ様 )


モデルになったのは今でも 地球最後の秘境と呼ばれている ギ ア ナ 高 地 です。


世界遺産にも登録されていますし、よくテレビの旅行番組等でも紹介

されているので 御存知の方も多いでしょうね。


テ ー ブ ル ラ ン ド ”と呼ばれる高地帯が点在するエリアです。

今でさえも秘境と呼ばれる位ですから、19世紀のドイルの時代ではもっともっと

人外魔境の地(宇宙旅行並み?)ではなかったでしょうか?


アマゾン川を遡り・・・ジャングルや沼地を抜けてたどり着いた平原には

断崖が垂直に聳え立つ巨大な台地が・・・高さは300m以上もありそうな断崖を


よじ登る事は到底不可能なのですが、隣接する岩山の頂上で木を切り倒して

丸木橋を作り、辛うじて渡った台地の世界は・・・ジュラ紀さながらの

古 生 物 た ち の 世 界 でした。


しかし、ロクストン卿に恨みを持つ現地人ガイドにより丸木橋を落とされてしまい

一行は この台地にとり残されてしまうことに・・・・・



「 失われた世 界」を冒険しながら、彼らが見たものは、翼竜にイグアノドン、

アロザウルス? 巨大なヘラ鹿・・・いろいろツッコミ所は多いのですが ww



いや、古生物ばかりではなく ミッシングリングではないかとも思える

凶悪な 猿人が登場! さらには、この地に住んで独自の生活様式を持つ原住民

までが登場するわで もう、何がなんだか www


この辺り、荒唐無稽ともいえる設定なんですが、不思議なことには違和感なく

読み進めて行けます。正統派のアドベンチャー物語を楽しむ感じでね。



秘境には、今なお古代生物が生き残っているのではないか・・という

想像力の翼を思う存分伸ばして描いた作品だと思うな。

それが読む者のロマンをかき立たせるのです。


また、『 失われた世界 』が発表されたのは1912年。ドイル後期の作品ですが

作家として円熟期に入った時期の作品であり、読者を楽しませる筆力が

アップしたせいか、ワクワク感を充分に味わうことができました。


登場人物が皆、魅力的でありユーモアたっぷりに描かれているせいでしょうか。

冒険小説がお好きな方にはホームズよりも楽しめるかもしれません。



最後に、彼らは原住民から教えられたトンネルを抜けて無事に元の平原に戻れます。



帰国後はもう大凱旋ですよ。一躍時の人となりヒーロー扱い・・・

クィーンズホールで発表します!と大集会が開かれます。


で、発表会では どうしても信用できないと主張する学者に対して

実物をお見せします!とばかりに運び込まれた大きな木箱から現れたのは・・・・・


チャレンジャー教授ったら・・何と翼竜を一匹 連れ帰って来たのですよ!

しかし、周囲が騒然とする中で、翼竜は高く飛び上がり窓から逃げ去ってしまいます。


・・・そうして、ザ・エンド。  しかし、教授の名誉は守られました。



原作はこれで終わりなんですが、非常に面白いと思ったのは、英国のBBCが

2002年にドラマ化して放映(DVDも販売)しましたが、このラストの

解釈を全く変えているのですよ。


ある意味では今日的で、現実的な解釈ともいえるかもしれませんが・・・


最後に・・・この物語の扉の言葉を引用して今日はお終いにしましょう。


半 分 お と な の 子 供 か

半 分 こ ど も の 大 人 が

ひ と と き を 楽 し め れ ば 、と

へ た な 趣 向 を こ し ら え た 次 第


( 扉の言葉 加島祥造訳 )


いやいや、読者的には充分楽しませてもらいましたが、一番楽しんだのは

作者であるコナン・ドイルその人ではなかったか、と www

それでは・・・またね。



posted by cat-of-many-tales at 00:00| Comment(0) | 海外の小説・その他 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする
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