2013年04月30日

「 図書館 記念日 」に読む 『 図 書 館 戦 争 』  by 有川 浩


こんにちは、今日も来て下さってありがとう。


4月30日は「 図書館記念日 」になります。 

図 書 館 ・・・はい、いつも お世話になっておりま〜す。



今日は 図書館のお話を・・・けれども、この物語の 図書館に うっかり勤めると大変ですよ。

なんてったって、毎日が 軍 事 訓 練 なんですから www



はい 今日の読書は 『 図 書 館 戦 争 』   by 有川 浩


    図書館戦争

    著者:有川 浩

    出版社:角川書店

    サイズ:文庫398ページ

    発売日:2011年04月



いやー、ブレイクしましたねぇ〜。 メデイア・ワークスから 単行本が 出版されたときは

(2006年)、かなり書評にも取り上げられていたっけな。


翌年に 本屋大賞第5位を獲得したのが、読むきっかけになったんですが。

全くの新人作家でありながらも、インパクト有るタイトルで読む気になりました。

まさか、こういう内容とは思わなかったのですが ww



まず、図 書 館 × 戦 争 という コラボがすごい ww  180 度異なるステージが

ブッキングすると、こうなるのか!と( 良い意味で )唖然としたものです。



しかし、しかし! 「 自 由 に 本 が 読 め な い 世界 」「 本 が 検 閲 さ れ る 世界 」

活字中毒者にとっては悪夢のような世界、これは3月7日に取り上げた

『 華 氏 4 5 1 度 』そのものの 世界ではありませんか!



その後に、デビュー作の『 塩の街 wish on my precious 』(2003年発売)

さらに『 空の中 』、そして『 海の底 』などなどを読んでみたのですが、

いわゆる「ライトノベル」の範疇に収まらない、独 自 の 世 界 観 の 確 立 された作品でした。

S F なんですよね、甘々のラブ小説の衣を着ているけれど。

例えてみれば、新 井 素 子 氏 風 の ・・・・・



しかも、なかなかのストーリィ・テラーではありませんか!

文章が軽すぎるような気もしましたが、今後に期待できそうと思った事を

覚えています。「ライトノベル? あ〜、ダメダメそういうのは」とは 決して 思え

なかったので・・・( 確か、桐野夏生氏も 岩井志麻子氏も少女小説の出身でしたし )




さてさて、『 図書館戦争 』です。



SF異世界もの・ラブアクション・・・ですね。楽しく読めました。


近未来の、今の日本ではないもう1つの日本(正化30年)が舞台になっています。

メディアにおける風紀を乱す表現・公序良俗乱す表現を取り締まる

「 メ デ ィ ア 良 化 法 」が施行されています。 うわぁ〜コレはヤバイ法律ですね・・・。



フィクションの世界ではありますが、現実にも似たようなものが施行される

危険は充分にあります。そう、差別や人権を声高に叫びながら 実は他者の

人権を圧力によって踏みにじりそうな恐ろしい法律が・・・



( 多分、あなたも何の事かお気づきと思いますので 敢えてこれ以上の言及は避けます )



さて、この世界では「公序良俗を乱す」表現の取締りがエスカレートして

武 力 行 使 も い と わ ぬ 検 閲 が横行している世界です。



図書館の 図書に関する自由とは相反するものがあるのですが、ある日突然

図書館が襲われ 多大な人的被害と蔵書の損失を受けたとき以来(「日野の悪夢」

と呼ばれています)図書館に自衛組織が生まれました

それが 図 書 隊 ・・・・・


しかし、図書館法を遵守する 図書館と 検閲機関が 同時並行する社会では

当然のことに 軋 轢 が 生 ま れ る事 に・・・そこが この物語の面白さになります。


さて、我らがヒロインは 笠 原 郁 。身長170cmの長身と ずば抜けた身体能力を誇る

子どもの頃からのスポーツ万能少女です。大学を卒業後、武蔵野第一図書館の

図書隊を志して特訓を受け、女性としては初めての 図 書 特 殊 部 隊

(ライブラリータスクフォース)に配属が決定!



彼女が図書隊( 図書防衛員 )を目指したのは・・・高校時代のある出来事から。


愛読していた 童話の完結編が発売された事を知り、本屋さんに駆けつけたら・・

良化特務機関のメンバーの抜き打ち検査があり、郁の読みたかった本まで

危険図書と 看做され奪われそうになってしまいます。 そのとき・・・・・


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こちらは関東図書隊だ!それらの書籍は図書館法第三十条に基づく

資料収集権と三等図書正の執行権限を以て、図書館法施行令に定めるとこ

ろの見計らい図書とすることを宣言する!

★━━━━━━━━━━━━【 一部抜粋 】━━━━━━━━━━━━★

つまり、この本は図書館が買い上げるから、お前たちには手が出せないってこと。


郁にとっては、まさに正義の味方登場!としか言いようがありません。

まさにヒーロー! 白馬に乗った「 王 子 様 」です。



感激の余り、名前も聞けず 顔も覚えていないこの「王子様」・・・・

私も、この「 王子様 」のように本を守る人になりたい。 あの人と同じ所に

行きたい・・・


そう、これはガラスの靴を頼りに シンデレラを探す王子様のお話ではなく

憧れの王子様を探す シンデレラの物語なんですよね。

ガラスの靴の代わりに「 読 書 の 自 由 を 守 り た い ! 」という信念を武器にして。



さて、念願はかなったものの・・・前途多難な日々が続きます ww



訓練中には鬼教官(二等図書正)堂 上 篤 に 目の敵のように絞り上げられ、

二言目には「アホか、貴様は!」と怒鳴られます。


また、同期の優等生・手 塚 にはとことんバカにされ・・・しかし、同室の

柴 崎 麻 子(美人で 情報通の図書館員)や同じ教官の 小 牧 や上司の 玄 田 からの

適切なアドバイスもあり、確実に成長して行きます。 また、なぜか危機に陥ったときに

助けてくれるのは、天敵 ww の鬼教官・堂上だったりして ww


さて、この物語は 図書館法の“ 図 書 館 の 自 由 に 関 す る 宣 言 ”の通りに、章立てして

進んで行きます。 つまり、この宣言がそのまま目次になっているの。


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図書館の自由に関する宣言

一、図書館は 資料収集の自由を有する。

二、図書館は 資料提供の自由を有する。

三、図書館は 利用者の秘密を守る。

四、図書館は すべての不当な検閲に反対する。

図書館の自由が侵される時、我々は団結して、あくまで自由を守る。

★━━━━━━━━━━━━【 一部抜粋 】━━━━━━━━━━━━★


これは、著者の創作ではありません。 現実の 日 本 図 書 館 協 会 で定められているもの。

著者の有川氏は、近所の図書館でこの宣言を掲げたプレートを見て、この

物語の着想を得たそうです

 

(しかし、この宣言を読んで『 図書館戦争 』の着想、というのもスゴイ)




【一、図書館は資料収集の自由〜】は、物語の序章です。登場人物の全員が

ここで出揃います。



【二、図書館は資料提供の自由〜】は、特殊部隊に特殊防衛員として配属

が決まり、ハードな訓練が始まります。 ライフル射撃にヘリコプターから

の降下訓練って・・・自衛隊並み? 奥多摩の山の中での特別訓練まで ww


また、防衛員といえども 通常の図書館業務もできなくてはなりません。

この辺りは、武力では頑張れても 座学( いわゆる、お勉強ね )の苦手な郁

にとって新たなる困難というべきか ww


そんな時、館長が病気で入院し、行政側から新たに配属されて来た館長代理の

不審な行動が・・・??



【三、図書館は利用者の秘密を〜】

現実でも起りそうな問題が突発します。連続通り魔殺人事件の犯人が逮捕

されました。容疑者は未成年ですが、日頃から武蔵野第一図書館で本をよく

借りていたとの事。警察から打診された、彼の貸し出し履歴を提示する事を

図書館側は拒否しますが・・・協力拒否が警察側から発表され、図書館へ

の風当たりは強くなります。




【四、図書館はすべての不当な検閲に〜】

青少年への悪影響を与える本を取り締まれ!という風潮が強くなる中、

好きな本も読めなくなった子ども達を支援するため、郁たちに出来る事は?




【図書館の自由が侵される時、我々は団結して、あくまで自由を守る。】

最終章で、この作品のクライマックスになります。

ある日、小田原の私企業が運営していた「情報歴史図書館」が閉館されることに。

すべての蔵書・資料は関東図書隊に移管されることになりました。

その中には『メディア良化法』に関する報道資料が多数含まれていて、

メディア良化委員会がその報道資料を狙っているという情報が・・・


移管の日には 図書隊と メディア良化委員会との 全面衝突が 避けられない

ことが 決定的になり・・・



ヒロイン・郁が困難に遭ったとき、一番強い味方になってくれたのは鬼教官の

堂上であることは言うまでもありませんね。


ラストでは、二人の愛の芽生え?を示唆して大団円・・・



以上、やや御都合主義的なストーリィや 軽めの文章が気に入らない方も多いかも

しれませんが、それでも充分に楽しんで読む事ができました。



軽〜く書かれた ライトノベルとは、あなどれないテーマを内包していますからね。



この『 図書館戦争 』はその後シリーズ化され『 図書館内乱 』『 図書館危機 』

そして『 図書館革命 』と続きます。チャンスがあればお話する機会もある

かもしれませんが、インパクトと物語性は この正編の『 図書館戦争 』が一番かな?



で、最後まで気になるのは・・・郁の運命を変えた、あの素敵な「 王 子 様 」には

逢えたのかしら?ってことなんですが。  え〜と、ネタバレしちゃうけど、大丈夫。

ちゃんと逢えましたから。   というか、始めから逢っているのです ww



もし、あなたが未読であっても気がつくと思うけど、この人しかいないでしょ?


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「 ア ホ か 、貴 様 は ! 」


ところで、この作品はアニメ化・実写化されているそうですね。

原作には まあまあ忠実なほうかな? 実写映画のトレイラーを貼っておきますので

興味の有る方はどうぞ(1分33秒)

それでは、きょうは これでお終い・・・ところで、次は『 県庁 おもてなし課 』を読んでみようかなー。

・・・またね。



posted by cat-of-many-tales at 00:00| Comment(0) | 日本の小説 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする
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