2013年05月16日

『 尼僧ヨアンナ 』( by ヤロスワフ・イバシュキェビチ )を 「 性交禁忌の日 」に読む


こんにちは、また来て下さってありがとう。


5月16日は・・・えっと、タイトル通りの日です w 江戸時代の艶本『艶話枕筥』に、

5月16日は 性交禁忌の日で 禁忌を破ると3年以内に死ぬと 書かれていた

為なんですが。 (但し、旧暦)


さて、そんな日にふさわしい本となると・・・コレかなあ?


はい 今日の 読書は 『 尼僧ヨアンナ 』 by ヤロスワフ・イバシュキェビチ


    尼僧ヨアンナ

    著者:ヤロスワフ・イヴァシュキェヴィッチ

    出版社:岩波書店

    サイズ:文庫 274ページ


著者はヤロスワフ・イヴァシュキェヴィッチ(1894〜1980)ウクライナ生まれの

ポーランド人作家&詩人です。 代表作として挙げられるのが、映画化もされた

『 尼僧ヨアンナ 』や『 白樺の林 』など。


私の場合、この作家の作品で読んでいるのは『 尼僧〜 』のみ。きっかけは、 映 画 からでした。

中学生時代に 兄の友人(大学生)に誘われて観たのですが、彼の解説と 私の受けた印象

が全く違っていたのをよく覚えています。


ハ リ ウ ッ ド 的 な 陽 気 さ は 皆 無 でしたが、アートシアター系と言うほど難解ではなく

私がこの映画から受けた印象は・・・まるで、カルメンとドン・ホセのような 恋愛物語・・・でした。


自分を犠牲にして誰かを救うという、非常に崇高な行為が、恋愛がタブーである

神 父 と 尼 僧 との間であるだけに、恋そのものと感じられたのです。

命を賭けた神父と尼僧の・・・・・。


当時は意識しませんでしたが、ファム・ファタール( 運命の女 )に出会ってしまい

身を滅ぼす男の物語だと今では思っています。



・・・舞台はポーランドのルーディンという小さな村です。

村には尼僧院があり、美しい院長の ヨ ア ン ナ は村人達の信頼を集めていました。


ところが、ヨアンナは悪魔に取り憑かれ奇妙なダンスを踊るようになり 他の尼僧達も

同じように狂ったように悪魔のダンスを踊り始めたという・・・

特にヨアンナには幾つもの悪魔が取り付き、どんな悪魔祓いも効果がないとか・・・

尼僧ヨアンナ。jpg.png

( 画像引用: DVD 『尼僧ヨアンナ』 中央がヨアンナ この女優さんは監督の奥様です )


その調査と悪魔祓いの為に ス ー リ ン 神 父 が派遣されて来ます。


しかし、実際に修道院を訪問して出会ったヨアンナは、背中に瘤があるけれども

淑やかな美貌の尼僧でした。

ところが、いったん悪魔が乗り移ると野獣のように唸り、呪いの言葉を吐き散らすように。


最初は、教理に則り 公開で悪魔祓いの儀式を行うのですが効果は無し・・・

尼僧ヨアンナ4.jpg


( 画像引用: DVD 『尼僧ヨアンナ』 )


次には、ヨアンナとの一対一で苦行を続けることにしました。しかし、ヨアンナの話を

聞く内に心に迷いも生じて来ます。 彼女自身が悪魔を求めているのだと・・・・


スーリンは屋根裏部屋にこもり 我が身を鞭打ち続けます・・・しかし、二人が共に

激しい痛みを受けることで逆に親和感が増し始め、いつしか悦楽を伴うように・・・


スーリン神父は自信を失い、ユダヤ教の司祭に相談したりもするのですが、逆に

悩みが深くなる破目に陥ります。


もう、ヨアンナを救う為には 自分がその犠牲になるしかないと思うようになりますが・・・

そして・・・ヨアンナを抱きしめたスーリン神父は 自らの体内に悪魔が乗り移って来るのを

はっきりと認識します。それは非常苦しみを伴いますが、ヨアンナを救ったという

満足感がありました・・・悪魔はスーリン神父にささやきます。


もう一度ヨアンナの体に戻ると・・・何としてでも 阻止したいスーリン神父は

悪 魔 を 受 け 入 れ 身 を 捧 げ る ことを誓います。


・・・自らの内側に 悪魔を永遠に閉じ込める為に、そうして、従者の少年を二人殺害してしまうのです・・・



スーリン神父は処刑されましたが、ヨアンナは正気に戻り、その後も長く修道院で

院長を勤めたとか・・・

映画では、最後に鐘堂の鐘が鳴り響き、そしてラスト・・・



もう お気づきになったかもしれませんが、この作品は17世紀のフランスの小都市ルーダンの修道院で

実際に起きた 「 ル ー ダ ン の 悪 魔 憑 き 事 件 」(尼僧達の集団ヒステリー事件)を

モデルにしています。 この時には、聖ペテロ会の司祭、ウルバン・グランディエが火刑に処されました。



この作品が執筆されたのは1943年、ナチス占領下のワルシャワでした。

出版されたのが1946年・・・旧ソ連の支配下で。


世界的に有名になったのは カ ヴ ァ レ ロ ヴ ィ ッ チ 監 督 によって 映画化されてからです。

映画が 初めて日本で公開されたのが1962年、当時はスターリンの圧制に苦しむポーランド

の比喩
として高く評価されたようですね。


後に1974年の『 エクソシスト 』の元ネタになったとも言われ、現代でもカルト的な

人気を持つ映画でもあります。


しかし、元祖・悪魔祓い映画としてよりも、もっと 人 間 の 根 源 的 な も の を感じさせてくれる

作品に思えるのですが・・・ヒントとしては、原作・映画ともに登場した

マ ウ ー ゴ ー ジ ャ タ という尼僧にあります。


尼僧の身でありながら、しょっちゅう村の居酒屋に行って お酒を呑んだりダンスをしたり、

あろうことか 知り合いになった田舎貴族の男性とベッドインまで・・・!


結局は 捨てられて大泣きするのですが、彼 女 だ け に は 何 故 か 悪 魔 が 取 り 憑 か な い

のですよ・・・。


何故だかは、あなたも当然お分かりになるでしょう?

まあ、トンデモシスターではありますが、私は彼女がとても好きです ww


さてと・・・今日はこの辺で・・・またね。



posted by cat-of-many-tales at 00:00| Comment(0) | 海外の小説・その他 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする
×

この広告は1年以上新しい記事の投稿がないブログに表示されております。