2013年03月03日

「桃の節句」に読む『 ひいなの埋葬 』


こんにちは、また来て下さってありがとう。

3月3日は、ひな祭り。


元来は厄払いの儀式、ですよね。

藁や紙の素朴な人形に、自分の災厄を託して川に流した行事でした。

鳥取の流し雛に今でもその形が残っていますよね。


厄払いに、平安時代からのお人形遊びが結びついて

女の子の成長を祝う行事になったのが江戸時代になってから。

宮廷風の御殿雛や贅を尽くした段飾りの雛人形はまさに芸術品・・・


でも、余りにも良く出来たお人形はいくら豪華でも何故かチョット

怖い と思う時もあります。

名人が精魂こめて創り上げたものであればある程、怖い・・・


ねえ、そんな風に感じることってないかしら?


市松人形にしてもヨーロッパのアンティークドールにしても、

人間の見ていない時や、夜にはこっそり歩き出しているのでは?

と思える怖さがある・・・


だって、人形は「人の形」をしているのですもの。



はい、今日の 読書は 『 ひ い な の 埋 葬 』 にしましょうか? 

( 潮出版社:山岸凉子スペシャルセレクション9 鬼子母神 に収録 )


著者は山岸凉子氏、あなたも多分ご存知の漫画家です。


そう、今日はバリバリの少女漫画なの♪


漫画がお嫌いな方はごめんなさい。

でも、あなたは大丈夫、かな?


山岸氏は、萩尾望都・竹宮恵子氏などと同世代の漫画家で、

70年代からの根強い人気を持つ方。

聖徳太子を主人公にした『 日出処の天子 』は日本漫画史に残る傑作だし

最近では『 テレプシコーラ 』で手塚治虫文化賞・マンガ大賞を受賞された

実力のある漫画家さんです。


長編だけではなく、短編も印象的なものが多い。

そして、この方は 怪談の名手 でもあります。



さて、『ひいなの埋葬』は発表されたのが1976年ですから

やはり、絵柄が随分と古臭く感じられますね〜。

短編集や作品集に収録されることが少ないのは

作品の出来そのものよりも、この作品の核を成すある「 病気 」

状況が現在では変ってしまっているからでしょうか?


つまり、この時代では不治の病として認識されているから。

今では勿論違いますよ。



遠縁の旧家・梨本家の 雛の節句に招かれた少女・弥生が出逢う

怪 奇 譚 なのですが、

恐怖よりも 美しい漫画 という印象の方が強かった記憶があります。。


妖しくも儚げな美しさを漂わせ、性別さえ定かではない美少女

やんごとない姫君の 嫁入り道具である豪奢な雛人形

その雛人形が歌ったり歩いたりする時は 梨本家の最後 という言い伝え・・・


そうして、ラストの炎上する梨本家の上を舞う雛人形たちの幻



少女時代に、この作品を読んだ時には、 

雛人形が人間を嘲笑するように笑っているのではないか、と感じたものです。

自らが炎につつまれながらも、ね。

そんな描写は何一つなかったのに・・・



怪談ではありますが、グロテスクな漫画ではありません

当時の少女漫画の王道を行く 美しい物語とも言えるでしょうね。

いわゆる「お涙頂戴」ものではなくて、人形がからんで 怪奇譚になっていますが。

そして、ほのかにボーイズ・ラブの香りもw


他に、山岸氏の 人形 をテーマにした怪談で、殿堂入りの怖さを誇るのが


『 私 の 人 形 は 良 い 人 形 』 ( 文春文庫ビジュアル版・潮出版スペシャルセレクション1)


物語が無事に終結したように見せかけて、実は・・・

最後の頁の不気味な怖さは忘れがたいものがあります。


私は活字中毒者ではありますが、漫画や映画もそれなりに好きなので

この作品を取り上げてみました。



さて、今日はこれでおしまい。

また、明日ね。


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posted by cat-of-many-tales at 00:00| Comment(0) | 日本の漫画・その他 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする
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