2013年03月30日

「みその日」に読む 『 もだえ苦しむ 活 字 中 毒 者  地 獄 の 味 噌 蔵 』 by 椎名 誠


こんにちは、いつも来て下さってありがとう。


3月30日は「みその日」、というか毎月30日が「みその日」になります。

なので、とりあえずは本のタイトルに“ 味 噌 ”の付くものはと考えて( ← 安易ですね w )



はい 今日の 読書は 『もだえ苦しむ 活 字 中 毒 者  地 獄 の 味 噌 蔵 』

著者:椎名 誠     角川文庫



著者の椎名 誠氏(1944〜)は、お若いイメージがあるのですが

もう70歳近いお年なんですね・・・。


出版デビューされたのが1979年で、その軽妙な 話し言葉で書かれた独特の文体が

“ 昭 和 軽 薄 体 ”なぁんて呼ばれた方でした。


しかし、御本人的には不本意だったらしく 「 さらば 昭和 軽薄体 」

というエッセイで もうこの文体では書かないと宣言。

その後は 私小説方面に 舵を切り替えられたようです。


椎名氏の作品で初めてまともに読んだのは 『 岳 物 語 』 だったかな?

息子さんの岳君をモデルにして、彼が 幼稚園児〜小学校の高学年までの

時期をテーマにして、父親サイドから見た私小説です。


甘いようですが、私はこれで椎名氏の作品イメージがかなり変わりました。

それまでも、雑誌に掲載されている椎名氏のエッセイというか 雑文( ← コレ失礼な言い方ですね )を


読む機会はありましたが、あくまでも読み捨ての雑誌のコラムとして

一応は読むのですが、それっきりで忘れてしまう・・・わざわざ本を

買い求めてまで 読むまでもない人・・と思っていましたから。


ファンの方、ごめんなさい。


『 岳物語 』は今読んでも結構面白く感じますし、この作品を椎名氏の代表作と

呼んでも差し支えないような・・・?

確か、国語の教科書にも載ったり 試験問題にも出題された事もあるのじ

ゃなかったかなあ・・・・・



さて、この 『もだえ苦しむ 活字中毒者 地 獄の味噌蔵 』は初出が1977年、

椎名氏が氏が 編集長をしていた「 本の 雑誌 」に掲載されたものです。



発行人の 目 黒 孝 二 氏をモデルにした軽めの 面白小説で

全編これ 目黒氏をパロディにしたような “ めぐろ・こおじ ”なる

人物が登場します ww



まさに目黒氏そのものといって良いような“ 活 字 中 毒 者 ” !!




めぐろ・こおじは 台所の椅子にキチンとすわり、どんどんどん

読みすすめていくのである。


「だいたいはじめの一冊でどのくらいの 時間がかかるの?」と、

ある日おれは彼に聞いたことがある。


めぐろ・こおじは、このようにして、酒をのんで家に帰ってから

ハードカバーの単行本を 明け方四時頃までのあいだに 最低二冊は

読んでしまうのである。


(中略)

「 文庫だったら、小説本で二時間ぐらい、ハードカバーだと、やっぱり三時間! 」


(一部抜粋)


さて、なぜに 味噌蔵が出てくるかというと

めぐろ・こおじとケンカした仕返しに、彼をだまして 味噌蔵に閉じ込めてしまうのですよ。

知人宅の 味噌蔵には 明治時代の珍本が沢山あるらしいと嘘をついて w


閉じ込めるだけではなく、バッグも取り上げて、つまり一冊の本も持たせずに、ね。

さあ大変、活字中毒者が 本を読めなくなる状態が続くと・・・・・?


禁断症状を起こして苦しむめぐろ・こおじ・・・その様子をバカバカしく

綴った、ただそれだけのお話なんですが www




「 本の雑誌 」社は 椎名氏と目黒氏が設立した会社 で、初めは 趣味の延長みたいな

読書・本に関するコラムやエッセイを雑誌化して発行したもの。



スタート時は 直接書店に持ち込んで販売している 直販方式をとっていました。

( その後は問屋である取次ぎとの取引も出来るようになりましたが )


目黒氏は営業も兼ねていたので、よく書店を訪問していたのですが、

この作品が「 本の雑誌 」に掲載されたあとは、よく書店人から

「 あー、目黒さんって・・味噌蔵に閉じ込められた人? 」とからかわれたそうです。



その他、この文庫本には「 本の雑誌 」や「 噂の真相 」その他の 雑誌や新聞に

掲載されたコラム等が載っていますが、さすがに時代を感じさせるかな?


しかし、「 インチキベストセラー 」 「 ゴキブリ雑誌を踏みつぶせ! 」など

現在にも通用するものも多い。



それだけ 出版状況が変わっていない(つまり良くもなってもいない)せいかもしれませんが。

いや、むしろ悪くなっているのかな、佐野眞一が嘆くように・・・



ところで・・・・・


あなたは「 週刊文春 」をお読みになったことがあるかしら。

たまにでも目を通す事があれば 御存知だと思うけど

椎名氏の 連載エッセイ 「 風 ま か せ 赤 マ ン ト 」は今年度3月末で終了になります。

1126回 約20年余り続いたわけですね。


まあ、お疲れ様の意味と敬意をこめて、今日は椎名作品を採り上げられて良かったかなぁ・・・


ちなみに、“ 活 字 中 毒 者 ”という言葉を知ったのも この方のエッセイから。


あー、私もそうかも? と思い、以降は 私も真似をして

“ 活字中毒者 ”を自称するようにww



さて、今日はこれでおしまい。

また明日ね。



posted by cat-of-many-tales at 00:00| Comment(0) | 日本の小説 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする
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