2013年04月09日

「 南北戦争終結の日 」に読む『 風と共に去りぬ 』  その3  by M・ミッチェル



こんにちは、また来て下さってありがとう。



昨日に引き続き4月9日がテーマです。

今日で9日のテーマはお終いにしますね、さすがに ww



引き続き、今日の読書は 『 風と共に去りぬ 』 著者:マーガレット・ミッチエル

新潮文庫  集英社文庫ほか




さて、最初に ちょっとお尋ねしたいのですが・・・

あなたが『 風と共に去りぬ 』に初めて接したのは 原 作 でしょうか?

それとも あ の 映 画 からでしたでしょうか?



私は・・・私は 活字中毒者ではありますが・・・初めてこの作品に触れたのは

映 画 からでした。 中学の3年生でしたから、もう15歳になっていたかな?


当時は既に、映画は斜陽化した時代ではありましたが、母が結構 映画好き

だったので、近所の名画座に よく一緒に連れて行ってもらったから。



映画そのものは、テレビ放映などでも見る機会は多かったのですが、

やはり映画館で観る楽しみは格別なものがありました。

テレビ放送が日常の楽しみなら、映画館で観る映画は 非日常の楽しみ。



・・・・・館内が完全に暗くなり、周囲の人たちも おしゃべりを止めます。

そうして 緞帳が静かに上がり・・・始まる あの非日常の世界



あの時は、まだ『 風と共に〜 』がテレビ放映される前じゃなかったかなあ・・?


『 風と共に去りぬ 』は 母親がずっと以前に原作のダイジェストを読んで

この映画の評判もよく耳にしていたので 是非チャンスがあれば

観に行きたいと思っていたみたい。

私自身はまだ 原作を読んではいませんでした。




映画が始まったときの気分は 今でもはっきりと覚えていますよ。



名曲「タラのテーマ」と共に GONE WITH THE WIND


というタイトル・クレジットが 緩やかに流れていく頃・・・・・


ふと、「 これは ひょっとすると・・・何かすごい 映画なのではないか ? 」

と胸が高鳴ったものですよ。そういう予兆のようなものを 感じさせる力が

確かにあったと思う。・・・・・もう 場内は完全に静まりかえっています。



騎士道が 花咲き 綿畑の広がるその土地を

人は「 古きよき南部( オールド・サウス ) 」と呼んだ

その美しい世界に かつて生きた

雄々しい男たち あでやかな女たち

そして奴隷を 従えた支配者たちも

今ではすべて夢 人の心にのみ残る

風と共に 去った時代である



( 引用:『 風と共に去りぬ 』 オープニングシーン )


映画を 観る時には いつも売店でビン入りのジュースを1本買ってもらい

それを少しずつ飲みながら 映画を楽しんでいたのですが・・・

映画が始まってすぐに ジュースの事は忘れました ww



前半が終わって 休憩が入ったときにはジュースは すっかり生温かくなっていました。

ハンケチにくるんでいたジュースのビンをしっかり握り締めていたのよ。

で、さすがに喉が渇いたので飲んだのですが・・味がよく分からなかったほど。


田舎の15歳の少女には 刺激が強すぎたのかしらね ww




最後まで見終えたら、もう完全に虚脱状態・・・・・・




・・・面白かった?・・・感動した?・・・・・いや、違いますね。

私は ただただ 圧 倒 さ れ た のです。




物語に  映像に  音楽に  表情豊かな ヴ ィ ヴ ィ ア ン ・ リ ー の美貌に 映画の力に



ずっとずっと後になってから、この映画の 製作総責任者・ セ ル ズ ニ ッ ク の事を知りました。

彼が、監督よりも脚本家よりも遥かに強大な実権をふるってこそ

これだけ完成度の高い映画が実現したんですね。



帰り道で母親が しきりに 「 良かったわぁー。お母さん、泣いちゃった。」と言っていたけれど

私は 逆に涙一滴も出ずに ただ 打ちのめされた様な気分だった・・・



私は 映画を観ている間ずっと 南北戦争当時のあの時代のアメリカに

スカーレットの傍らに 心を寄り添わせていたのです。


そんな気持ちにさせた映画は それ以来二度とありませんでした。

( 15歳という年齢のときだからこそ かもしれませんが・・・)



夕食の席で 興奮して映画の事を話したような記憶もあるけれども・・・

兄が、南北戦争の映画?と興味深そうには聞いたけれど

よく考えたら、あれは戦争映画ではないんだよね。

戦闘シーンは全然無かったし・・・歴史映画とも違うような気がする。



母親は 敗戦国の辛さを充分に知っている世代だったから、スカーレットの

境遇や 南部の人たちの苦しみが 他人事とは思えなかったみたい。



母の実家も 戦後は 農地解放により殆どの土地を手放さざるを得なくなり

かなり困窮したそうだし、伯父は 公職追放の憂き目に会ったりもした。

敗戦した 南部の苦しみは そのまま 敗戦国 日本の苦しみ だったんだよ。



私は戦争を知らない世代だけれども 歴史の変わり目に生きた人々の

戦争によって傷つけられ失ったものの大きさと悲しみは子どもなりに

理解できたような気がする。


      
今ではすべて夢 人の心にのみ残る


風と共に 去った時代である


さて、原作を読んだのは 高校生になってからです。


普通、文芸作品が映画化される場合には、どうしても 監督の解釈や脚本に

よって 愛読者的には 不満が残る場合が多いのだけれど・・・



活字で描かれたキャラクタを 生身の役者さんが演じるわけだからね。

演出や役者さんの演技力の問題もあるし、何よりも各自の頭の中で

イメージしていた登場人物の容姿や 自分なりの解釈との

ギャップが生じるわけですから・・・


それに、映画の場合は時間が2時間程度と限られていますから どうしても

カットしなければならないシチュエーションやエピソードが出てきます。

やむを得ないのですが、その部分が原作世界の根幹にかかわる部分だったりすると・・・

愛読者にとっては許しがたいのです ww


ねえ、あなたも そんな風に思われたことはないかしら?


単独で 映画だけを観れば悪くはないけれども、原作と引き比べれば不満な事・・・


例えば・・市川昆監督の『 細 雪 』は海外でも評価が高い作品ですが

私的には ものすごーく不満が残る作品ですから。



ただ、この作品に関しては 全く違っていました。



原作を読んでから 映画を観たわけではなく、その逆だったからかもしれないけれど

逆に、原作を読むことにより 映画の補足ができた位でしたから。


ああ、そういう事だったのか!と改めて納得したり

映画では端折られていた 細部が描かれているので その部分を楽しめたり・・・


スカーレットの両親の 結婚の経緯も興味深かったなぁ・・・


アイルランド移民の成り上がりだった父親とフランス貴族の血を引く母親を

両親に持つスカーレットの魅力の根源が改めて分かったような気がした・・・


また、スカーレット自身も・・・決してインテリジェンスのある女性ではないけれど

(少なくとも、読書は好きではないタイプだと思いますよ www)

動物的なカンと知恵を備えた タフで有能な女性であることがよく分かる。 


けれども・・・・・


「 きみは、人間についての 直観力がない。

安っぽい人間と 偉大な人間を区別する 能力が無い。

ときどきおれは思うことがあるが、きみがこれまで接したうちで、

偉大な貴婦人といったら、きみのお母さんとメラニーさんだけだろう。

しかも、そのどちらからも、きみはなんの感銘もうけないようだ 」


( 『 風と共に去りぬ 』 第5部より 一部抜粋 レットの言葉 大久保康雄訳 )



そう、これは鋭い指摘ですよね。

結局は こうした点が本当の愛情を見抜けずに レットを失う原因になってしまうのだけど。


また、一見すると、スカーレットがメラニーを一方的に支えているように見えても

実は メラニーの影響力は結構大きかったことも言えるよね。


メラニーはスカーレットを完全に理解していた・・・とは言い難いけれど

少なくとも 彼女を全面的に受け入れていたし、アトランタ陥落のとき

どれ程スカーレットの世話になったかを生涯忘れなかったから。


スカーレットがレットと結婚して 街の人々から白い目で見られたときも

「 南部同盟未亡人の会 」のうるさい オバサマたちの非難に対して敢然と

かばう姿勢を見せた。

その愚直なほどの思いは ある意味ではスカーレットよりも強い女性かも?



あと、原作との 細部の違いは殆ど気にならなかったな。

スカーレットの子どもも、映画ではボニーしか登場しなかったけれど

原作ではウェードやエラもいるけれど、ストーリィには余り関係がないしね。



ただ、スカーレットとレットの会話の面白さ、脇役の人々のキャラの豊かさ

などは やはり原作を読まなければ分からなかったかもしれません。

特に、ピ テ ィ パ ッ ト 叔 母 さ ん は 秀逸ですから ww

実際に、M・ミッチェルの周囲にこんな 老嬢がいたのでは?と思わせたくらい。



また、当時の社会状況や 敗戦後、北部の人々によって支配される南部の地で

うまく立ち回っていけた人々、適応できなかった人々のことなども

興味深かったし。



それから・・・活字を読んでいる間も、頭の中に思い浮かぶイメージは

やはり、ヴィヴィアン・リーやクラーク・ゲーブルでした ww



原作と映画で どちらが魅力的かとは よく話題になるけれど

どちらも素晴らしいといえる作品は やはり この『 風と共に〜 』くらいではないかしら?


映画については、私がDVDで持っているのはワーナーのスペシャル

エディション4枚組みのもの。

テクニカラーの 修復技術は素晴らしく、廉価版で持っていたDVDとは

比べ物にならない程でした。


5時間以上もの 特典映像は非常に興味深く、この映画の 製作過程や

ヒロイン選定までの 経緯も見ごたえがありましたから。


メラニーを演じたオリヴィア・デ・ハヴィランドが、 真っ白な髪の

ふくよかで上品な老婦人になっていましたが、撮影中のエピソードを

語ってくれた映像もあり、これは嬉しい特典でしたね。



ところで・・・ふと思ったのですが、今のハリウッドの技術であれば

この『 風と共に〜 』の リ メ イ ク 版はたやすく出来るはずなのに

誰も撮影しようとはしませんよね?   多分・・・不可能だからだと思うな。



これ以上の映画は・・・これ以上の『 風と共に去りぬ 』の映画は・・・

どんな監督が どれ程のお金をかけても 無理なような気がする。


例えば・・・オードリー・ヘップバーンの『 ローマの休日 』なども

そうでしょう?  どんな名監督であろうとも 他のどんな女優さんが

演じても 最 初 の 映 画 を 越 え る こ と は で き な い ような・・・



本当に優れた映画って、そんなものじゃないかしら?

“ 天の時、地の利、人の和 ”を見事に 結実させた映画は 貴重な 知的財産だと思う。



今ではすべて夢 人の心にのみ残る


風と共に去った 時代である



さて、3回分 お話してしまったけれど・・・まだまだお話したい事も

あるのだけれど・・・そろそろ これで終わりにしましょうね。


今日は、これでおしまい。

では、また・・・・・



posted by cat-of-many-tales at 01:00| Comment(0) | 海外の小説・その他 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする
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