2013年05月20日

『 森は生きている 』( by マルシャーク) を 「森林の日」に 読む


こんにちは、また来て下さってありがとう。5月20日は「 森林の日 」です。

森林・・・森・・・そうですね、この作品しかないかな?

はい 今日の 読書は 『 森は生きている 』 ( by マルシャーク)


    森は生きている

    著者:サムイル・ヤコヴレヴィチ・マルシャーク/湯浅芳子訳

    出版社:岩波書店

    サイズ:岩波少年文庫 233ページ  


マルシャーク(1887〜1964)ロシア南西部のヴォロネジ市生まれ。詩人であり哲学者

であり翻訳家であり、優れた児童文学者であった人。この『森は生きている』

は、戦後1953年 湯浅芳子氏が翻訳して 岩波書店より出版され 重版を重ねています。


原題は『 十 二 の 月 』 ・・・1年の1月〜12月の12の月のことです。


大晦日の晩に、1月から12月までの 月の精たちが 森に勢揃いする というロシア・スラブ地方の

伝説を元にした 児 童 劇 で、この作品は、脚本をそのまま出版したもの。


よく上演される作品でもありますので、舞台( 歌が楽しい! )を見ても

楽しいと思いますし、普通に 戯曲( シナリオ)として読んでも充分に楽しめると思います。

子ども時代に読んだ時にも、特に違和感なく楽しめました。マルシャーク

は詩人なので、セリフだけではなく、ト書きも詩情豊に物語風に描かれていますから



しかし、タイトルを『森は生きている』と邦訳した湯浅氏のセンスは素晴らしいね。

3月18日にお話した『リトル・ウィメン』を『若草物語』と同じ位に優れた

邦訳だと思います。


また、今回読み直して改めて気がついたのですが、この物語の登場人物たちには

「名前」が付いていないんですね。


老 婆 」 「 む す め 」 「 ま ま む す め 」 「老兵士」 (14歳の)女 王

博 士 」「総理大臣」「女官長」「検事」「西の国の大使」「東の国の大使」などなど。


主人公のはずの「ままむすめ」さえも名前が付けられていないのは面白い・・・

苦労をして、継母にこき使われてきた「ままむすめ」が最後には幸福になるという

ハッピーエンドのシンデレラ・ストーリーです。



さて・・・物語はわがままで高慢な女王様が大晦日の日に、新年のパーティのために

マ ツ ユ キ ソ ウ が 欲しいと言い出した事から始まります。

マツユキソウは春( 早春 )に咲く花、存在するはずの無い花を手に入れようと 女王

は国中にお触れを出します。

マツユキソウを摘んできた者には、かご一杯の金貨や上等のシューバ(外套)などが

賜与されると・・・


よくばりな「老婆」は自分の「むすめ」には行かせず「ままむすめ」に摘んで来いと

大晦日の寒い夜に森に追いやります・・・



★━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━★

きょうはいったい、どんな日だ? 古い年がおしまいになって、新しい年がはじまるんだよ。

(中略)こんな日には、この世にいろんなことがあるもんだって──

(中略)おおみそかには、それどころじゃない、もっと変わったことだってあるんだよ(中略)

おじいさんの、そのまたおじいさんというのが、ちょうどおおみそかの晩に、

1月から12月までの、のこらずの月に出くわしたというんだ。(中略)

★━━━━━━━━━━━━━【一部抜粋 】━━━━━━━━━━━━━━━★


そうして出かけた大晦日の深夜に・・・「ままむすめ」は焚き火を囲んで歌っている

不思議な12人の人たち(年齢はさまざまな)に出会います。

彼らこそ、12の月の精たちでした。

森1.jpg

( 画像引用:youtube Двенадцать месяцев 1 серия ロシアの劇団による上演)


「ままむすめ」を哀れんだ彼らは1時間だけ 森を春に してくれます。4月の精の

担当月で ww まだ若い彼は、「ままむすめ」に婚約の印の 指 輪 までプレゼントして

くれるのでした。そうして、自分たちの事は誰にも言わないようにと・・・


季節が12月から1月、2月、3月と見る見る内に変わり、森はいま4月です!

春を告げるマツユキソウの花が一杯咲き乱れています。



小学生時代にこの物語を読んだとき、私はマツユキソウがどんな花か知りません

でした。この花ですね↓ ヨーロッパ原産種の可憐な花、今ではスノーフレーク

もしくはスノードロップと呼ばれているのではないかしら?鈴蘭水仙とも。

マツユキソウ2.jpg


無事にマツユキソウを籠一杯つんで帰った「ままむすめ」に驚いた老婆たち。

自分たちが摘んだような顔をして早速、新年に御殿に出向くのですが、

女王から、森の咲いている場所に案内せよと命令されてしまいます

困った老婆達は再び女王様御一行と、「ままむすめ」をだまして森に案内させる

のですが・・・



もう一度、12の月たちには会えるのでしょうか? 頼みの綱の指輪は、こっそりと

「むすめ」に奪われ、さらに女王の手に渡ってしまいます。


マツユキソウの咲いている場所に案内しろ、さもないと指輪を捨ててしまうと脅かされ、

12の月の事を話さない「ままむすめ」に業を煮やした女王は 氷の池に指輪を

投げ捨ててしまいます・・・



さて、そこから 舞 台 は め ま ぐ る し く 変 化 します。


見る見る内に、季節が冬からマツユキソウの花咲く へ、そしてシューバを脱ぎ

捨てた 、台風の吹き荒れる を過ぎて 再び寒い寒いが・・・

お付きのものは皆逃げ出してしまい 残されたのは女王と博士だけでした・・・




この物語は、完全な勧善懲悪物語とも言えない所があります。多分、女王のキャラクタと

「ままむすめ」のキャラクタを対比してあるからでしょうが・・・


どちらも両親のいない「みなしご」でありながら、片方は明るく素直な働き者で

もう片方は 国一番の恵まれた少女でありながら、傲慢で横暴、思いやりもなく

そして誰からも愛されてはいません。読んでいると、それはよく分かります。


そして、彼女は「 命 令 」はできても、人に頭を下げて「 お 願 い 」をすることがで

きませんでした。「ままむすめ」や12の月たちに「 御殿に返して 」と謙虚な気持ちで

頼むことが出来たのは、森の寒さに凍え、生まれて初めて大変な思いをして

成長する事ができたから・・・


子ども時代の読書感想文には 「 人間は 自 然 に 反 す る こ と を望んではいけない、と思います」

と書いた記憶もありますけれども・・・女王については単にイヤな奴としか思わなかったなあww


そして意地悪な「老婆」とその「むすめ」はといえば・・・?

そうね、少しは反省すれば人間に戻れるんじゃない?

12の月たちもそう言っていたし ww


さてさて、それでは今日はこの辺で・・・またね。

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posted by cat-of-many-tales at 00:00| Comment(5) | 海外の小説・その他 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする
この記事へのコメント
どんな話かと思って検索してここにきましたが、、、非常に悪意に満ちた文章で不愉快でした。


ほかで探します。
Posted by ・・・ at 2014年03月02日 10:41
もう一言、

こういう文章を書くような大人にはなりたくないと思いました。

Posted by ・・・ at 2014年03月02日 10:44
不愉快な気持ちにさせてしまったら ごめんなさい。
けれども、「悪意」と「辛辣さ」は別物なのですが・・・。

そう、反面教師としての役割は果たせたわけですね。
とても満足です。ありがとうございました。
Posted by cat-of-many-tales at 2014年03月02日 19:17
傲慢高飛車で嫌な人間と謙虚で一生懸命な人間をわかりやすく対比しているお話、わたしは大好きです。つらい毎日でも誠実に生きていればいつか楽しいことがある、そう思えるから。現実は傲慢高飛車で横柄な人間よりも誠実に生きている人間が幸せになるとは限らないけれど。香菜子
Posted by 香菜子 at 2016年08月20日 15:03
>香菜子さまへ

こんにちは、コメントをありがとうございます。
ずっと休止中のブログにコメを頂き、恐縮です。書き加えようと思いつつ
そのまま状態という・・・。

いわゆる善玉と悪玉との対比は古来より(神話や伝説、またいわゆる昔話)などでも
アピールする力があるので分かりやすいですよね。

現実には・・・仰る通りに「誠実に生きている人間が幸せになれるとは
限らない」というケースは多いですけれども・・・
しかし、それだけに「物語」の世界でそうした理想もしくは夢を求めたい
気持ちもあるのかもしれません。
Posted by cat-of-many-tales at 2016年08月20日 16:18
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